一羽の小鳥が悠々と空を羽ばたいていました。「あら、あの木はよさそう」と降りて、気持ちよさそうに歌を始めようとしたとき、小石が飛んできて「あ∼」、悲劇が発生しました。(17秒) いたずら大将 アニメーション「花田一路」を見たことがありますか。主人公の花田一路君は正しく私の小さい時そっくりでした。農家だったので、農村で皆さんの想像できる生物は全部、私の悪戯の対象でした。飛ぶ鳥にはパチンコを仕向け、泳ぐ魚にはシイノキカヅラの毒で漁をしました。陸上の鼠なら煙で燻り出し、水陸両棲の蛙を捕まえては空き缶に入れて茹で蛙にしていました。南無阿弥陀仏!これらの悪行はすべて過去のことであり、とっくに足を洗っていますから、動物愛護団体には告発しないようにお願いします。
しかし、古くから台湾語で「悪人無胆」という通り、いたずら大将は日が暮れて真っ暗になると、自分の想像した幽霊や化け物やキョンシーなどが百鬼夜行するといって、びくびくして家を出る勇気がありませんでした。(67) お化け屋敷 よりによって、こんな肝っ玉の小さい私の家の近くにお化け屋敷がありました。それは、深い竹やぶに囲まれたライチ果樹園の中にある空家で、昼間は怪しい鳥がカーカー鳴き、夜になると真っ暗な竹やぶから人魂が糸を引くように飛び回り、妖怪が出てもおかしくない領域でした。
いたずら大将が少し大きくなって高校生になったころ、異性にも興味を持つようになりました。或るとき、夜中にクラスメート男女数名がわが家に遊びに来ていました。いたずら大将はお化け屋敷の探検を提案しました。そして、下心が見え見えでも、男女ペアで一回一組っきりでお化け屋敷に入ることを条件にしました。なにしろ、女性が怖がってこちらの腕にしがみつくのを目論んでいたからです。(62) 面目丸つぶれの肝試し しかし、実際のところ、私の番に回ってきた時はもはや怖くて大粒の冷や汗をかいていました。それでも仕方がなく、懐中電灯を手にしてお化け屋敷に入りました。湿った空気にカビの匂いが漂っていました。蜘蛛の巣を避けながら、奥の部屋へ奥の部屋へと進んでいきました。どういうわけか、私とペアになっていた女性は好奇心旺盛でたいそう面白がっていると見え、前へ前へと進みました。その挙句、私が彼女の腕にしがみつくという結末になりました。
肝っ玉の小さいことはばれてしまいましたが、二人だけの秘密にしてくれれば、恥は最小限に食い止めることが出来ると思いました。しかし、お化け屋敷を出ると、あろうことか彼女は皆の前で自分の勇敢さと私の臆病なことなど、屋敷の中の出来事を一部始終自慢してしまいました。地面に穴があったら入りたい思いでした。(69) キョンシーは新竹出身
大人になってから、あまり幽霊とかお化けのことを気にしなくなりましたが、その類の話があるとやはり興味津々です。約二十年前、彰化県の二林鎮でキョンシーのデマがありました。 兄が当時二林で少女ファッションの店を経営していました。差し入れに行きますと、いつも二林のお寺の前でアヒル素麺をご馳走してくれました。その日は、夜中に着きましたが、町中の往来が少なく、寒い風がビュービュー吹き、普段とは違う寂しい空気でした。店に入ると、兄は声をちょっと低めにして、「実は、この間 キョンシーを見た人がいるという噂があってね」、「しかも、話によると、キョンシーは新竹からやってきたらしい」。「そうですか、ご足労なことですね」と感心しながら、「しかし・・・そもそもどうして新竹からやってきたと分かったの?」と聞くと、側にいた兄嫁が、「キョンシーは多分、片手にビーフンをぶら下げていたからでしょう」と言いました。 日本のお方に説明しますが、ビーフンと貢丸は新竹の名物で、お土産として知られている。
約:5.1分
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